Smiley face
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松里公孝・上海外国語大学教授

 ロシアとウクライナの停戦交渉が迷走を続けている。旧ソ連圏の政治を研究する松里公孝さんは、背景には両国のポピュリズムがあると指摘する。ソ連解体以降の経緯を踏まえて、交渉の行方と「停戦後」の課題を読み解いてもらった。

 ――ロシアとウクライナの停戦交渉が難航しています。これまでの交渉プロセスをどう見ましたか。

 「外交の素人のような交渉だと思いましたね」

 ――「素人」とは?

 「ウクライナとロシアの双方が、安全の保証や併合の承認など、本来は停戦成立後の和平交渉で話し合うべき事柄を、停戦交渉の前提にしようとしているからです。停戦交渉とは何で、和平交渉とは何なのかというルールがわかっていないのでしょう」

 ――なぜそうなっているので…

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